ノビル(野蒜)って聞いたことありますか?春先頃食べる事のできる山菜で、葉っを千切るとがネギやニラ・にんにく等を思わせるような芳香するのが特徴の植物です。
注意して散歩して歩くと実はあちらこちらに生息しているスゴく見つけやすい山菜です。
ノビル(野蒜)って食べられるの?どうやって食べたら良いの?どこに生えてるの?等を紹介します。
ノビル(野蒜)って何?どこに生えてるの?
ノビル(野蒜)は正式には『ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属』の多年草で、”ネギ”と付くだけあって、葉っぱを千切ってみるとネギやニラ・にんにくのような香りがします。
土中に2〜3cm位の小さな玉ねぎみたいな球根をもち、その膨らんだ部分を食す山菜です。
同様に”ヒガンバナ科”ということもあって同じ科に属する”スイセン”と葉っぱが似ていて、見慣れれば全然違うのですが、初めの頃は見間違うかも知れません。
スイセンには毒性があるので食べたらダメですよ!
よく分からないならとにかく葉っぱを千切って匂いを嗅いでください。ノビルはニラやニンニク・ネギのような芳香がありますが、スイセンはただ青臭いだけなので明らかに違います。
北海道とかムチャクチャ寒い地方は分かりませんが、おそらく日本全国で生えている草なので、春先の土手や畑、草むらなどで簡単に見つけることが出来るでしょう。
ネットで検索すると4月前後が食べ頃と良く見かけますが、別にそれ以前でも、例えば1月であっても見つけられさえすれば球根自体は小さいでしょうが食べることは可能です。
ワタシがノビル(野蒜)を知ったのは鹿児島の片田舎
ワタシは仕事の都合で23歳の頃神奈川県から鹿児島県のとある片田舎町に引っ越しました。
いや〜カルチャーショックとはこの事を言うんでしょうね、もう何もかもがイヤに感じた最悪の時代でしたよ。今でこそ田舎の大変さと面白さに魅力を感じて理解も出来るのですが、そこそこ都会の神奈川からいきなり移住激戦区の鹿児島県しかも電車もバスも通ってないような田舎に引っ越したしたんですから心中お察しください。
- 夜空の星がプラネタリウム
- 裏に流れる小川の水が冷たくてウマい
- イノシシと鹿が多い
- 庭付き一軒家で敷地の広さは3反(1反は約300坪です)
- 家の前で丸裸になっても通報されない
- バクチクぶっ放しても苦情がこない
- 一番近い商店まで車で20分
ザッとこんな感じの所に住んでいました。
鹿児島県って藩政時代には他藩の人間を基本的には立ち入らせない独自の施策を行っていたらしく、未だ残る独特の文化やとにかく聞き取れない地元民の地元言葉は、他藩の人間だとすぐに分かるようにした歴史があるそうで、『鹿児島の人?』と分かってしまう独特の方言は有名ですよね。
しかも同じ鹿児島といえども地域が変われば言葉も変わり、山の方に行けばそれこそ一般的にイメージする”田舎のおじいちゃんおばあちゃん”を想像しても良さそうな話し方で、海側に行けば行くほど”海の男”を象徴するかのような荒々しい感じが表れてきます。ワタシがお世話になった村は山の中にありながら海までも近い地域で、端的に解釈すれば”荒々しいおじいちゃん”となるのでしょうか。
とにかく何を言っているのかを理解するのが大変でした(汗)
そんな田舎村で、仕事の休憩中に田んぼのあぜ道を散歩していた際に先輩が教えてくれたのが私とノビルの始めての出会いでした。
何か小ねぎみたいなのが群生して生えてるけど何なの?と、さほど興味もない私を横目にスコップで掘り出してくれたのは丸々と太ったノビルでした。
ノビル(野蒜)ってどうやって食べるの?
掘り出したノビルを脇の小川でジャブジャブ洗って、根っこを切り落として薄皮を剥いたら、なんとまあ綺麗なノビルになりました。
泥付きの状態ではさほど感動しなかったのですが、下処理したノビルは真っ白にキラキラ輝いて綺麗だったのを覚えています。見た目は球根がチョット大きな小ねぎなのですが、薄皮を剥いたばかりなので表面がツヤツヤしていていかにも水々しそうな感じが溢れていました。
食べるにはまずこの下処理が必要になります。
- ノビルを掘り出す
- 泥を洗い流す
- 根っこを切り落とす
- 表面の薄皮を剥く
ノビルの下処理をしたことがある方なら分かると思いますけれども、結構手間なんですよ。最初の頃は全然上手く出来ないので”食べたいけど面倒くさい”何とも罪なヤツでしたが、かれこれ1万本以上は余裕で処理をしてきたワタシは今では”ノビル2級”ですね。
1級は難易度が格段に高くてまだ今のワタシには手が届かない境地なんですが、当時の先輩は1級取得者ですね。だって、くわえタバコでよそ見しながら高速処理しますからね。
ワタシにとって神です。無宗教ですが先輩は信じてます
ノビル(野蒜)って美味しいの?
ノビルは美味いです。
人によってまた地域によって色々食べ方がありますが、ワタシなら”そのまま生食orサッと茹でる”のどちらかで食べるのが一番美味しいと思います。
生食なら味噌を付けて、茹でるなら酢味噌を添えて食べるのがおすすめです。
神に伝授して頂いた酢味噌の作り方
- 味噌適当(スプーン山盛り1杯で大凡一人分ですが食べたいだけどうぞ)
- 砂糖を適当に加えてグリグリ混ぜる(味見してみて甘みを感じるくらい)
- 酢を少しずつ加えながらグリグリ混ぜる(大体ハチミツ位のトロトロ感を目標にお好みでどうぞ)
これだけです。分量は適当です。2の段階で『甘みを感じる』程度になっておけば良いですが最悪甘みが足りなければ後から砂糖を足せば良いだけですのであんまり気にしないで良いです。ハイ。
時期が良ければ山椒とか柑橘系の皮なんかを加えたら香りが良いですね。
ちなみにノビルを食べるようになって酢味噌も始めて食べたのですが、『こんなに美味いものがこんな簡単に作れるなんて』と逐一感動していました。
生食はシャキシャキした食感が心地良く、独特の辛みが好きな人には好きかも知れません。食べたことはありませんがエシャロットに似ているそうです。まあ、エシャロットでもノビルでも大きく変わらないと思いますよ。
サッと茹でた方は、辛みがなくなって若干甘みが出るので非常に美味しいです。自家製の酢味噌が何とも言えません。
芋焼酎に合います
基本的には”酒のツマミ”感覚なので食卓に並ぶ事は我が家ではありませんが、インスタントラーメンの具材として2〜3cm程度の斜めにザク切りにしたノビルの白い部分をドカ入れして最後に葉っぱの部分を細く刻んでネギ代わりに掛けて食べるのも控えめに言って最高に美味いです。
ノビルが合うと勝手に思ってるインスタントラーメンランキングTOP3です。
- うまかっちゃん
- サッポロ一番みそラーメン
- チキンラーメン
ビールが止まりません
九州以外でうまかっちゃんが売っているのかどうか定かではありませんが、美味いです。ラーメン食べよっかなーと思い立って、庭でノビルを適当に摘んできてササッと処理して食べる。食べたいものを庭で採って食べるって何てこと無いことなのですがもの凄く贅沢なことなんだと自然のありがたさを感じます。
ノビルの花言葉
ノビルの花言葉は『タフなあなたのことが好き』です。
一見すると精力増強剤のキャッチコピーのようにも聞こえますが、ニンニクに似た滋養成分が豊富に含まれているので昔から身体が元気になる植物として重宝されてきたようです。
今まで散々ノビルを食してきましたが直接的に滋養強壮効果を感じたことはありません。ただ、『美味い!』と感じるので気持ちの元気には繋がっているのではないかと思います。
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