「イラネッチケー」をご存知でしょうか?
NHKの受信料の支払いを不要にする目的で開発された「NHKだけを映らなくする電子機器」と言うと何となく大掛かりな設備を想像するかと思いますが、手の平サイズの小さな部品で、その部品をお手持ちのテレビに取り付けることによって、NHKのみに限定された周波数を受信しなくするするという画期的な発明品がイラネッチケーです。
NHKを見ようとしても受信できないので、「結果的にNHKの放送受信料を支払う必要も無くなる」としてNHK受信料制度に不信感を抱く方々を中心に大きな話題となりました。
しかし、2023年5月現在において、なぜか「イラネッチケー」は過去の遺産と化してしまっています。
今回は「イラネッチケーとは何?ドンキやNHKをぶっ壊すTVとの違いは?」と題しまして、そもそもイラネッチケーとは何なのか?また、最近話題に挙がることの多いドン・キホーテの「チューナーレス スマートテレビ」や、政治団体NHK党の立花孝志党首が代表を務める株式会社立花孝志が取り扱っている「NHKをぶっ壊すTV」との違い等を検証します。
NHKを受信できなくする「イラネッチケー」とは何?
「いらねー」と「NHK」を組み合わせた造語でネーミングされた「イラネッチケー」は、小型な部品でありながらお手持ちのテレビに取り付けることによってNHKの放送電波のえお受信しなくするように設計・開発された機器で、「NHKが映らない=受信料の支払いが不要」と考えられ、当時船橋市議会議員であった現政治家女子48党の立花孝志党首が、イラネッチケーを取り付けたことによりNHKとの受信契約が不要であることを確認する裁判が行われました。
この裁判では、結果的には「イラネッチケーを取り付けてもNHKとの受信契約は必要ですよ!」との意味が分からない判決が下されてしまいます。
画像引用:ラジオライフ
後に「イラネッチケー訴訟」とも言われる、イラネッチケーをテレビ内部に組み込んだ状態の商品を購入した女性が同様に「受信契約の必要性がない」事を確認するために起こした訴訟は、一審では勝訴をしたものの、高裁・最高裁ともに「たとえNHKを物理的に受信できない部品を取り付けたとしても、外付け部品や工具を用いて内部に組み込まれたイラネッチケーを取り外して元通りの状態に戻せる場合には受信契約を締結する義務がある」として最終的にはイラネッチケーの存在は否定されしまう結果となりました。
イラネッチケーではNHKとの受信契約は拒否できませんよ!ということです。
「どこで売ってるの?」「販売元は?」「価格は?」「自作出来ない?」「取り付け方法は?」など、NHK受信料の不払いを目的にイラネッチケーに関する関連情報を求める声があるようですが、結論から言えば「イラネッチケーはダメ」です。
ドン・キホーテの「チューナーレス スマートテレビ」とは何?
『チューナーレス スマートテレビ24型&42型』発売!!
AndroidOS搭載で、NetflixもPrimeVideoもYoutubeもAndroidアプリなども楽しめる!
HDMI端子を3機搭載しているので、スマホやゲーム機、PCも接続&表示OK✨24型:税込21,780円
42型:税込32,780円 です! pic.twitter.com/YojsWXV4V5— 驚安の殿堂 ドン・キホーテ🐧 (@donki_donki) December 13, 2021
「NHKの受信料を払わなくていいテレビ」をキャッチフレーズに掲げ、ドン・キホーテがチューナーレステレビの販売を開始したことで、地上波放送を見ない方やNHK受信契約制度に不満を抱く方などを中心に話題となりました。
NHKに限らず放送電波を受信する機能を有しないテレビなので、当然ながらNHKとの受信契約が不要となり、結果的に放送受信料の支払いからも開放されるという画期的なテレビです。
地上波放送は見れませんが、NHKとの関わりも一切無くなります。
初代モデルは画期的な商品コンセプトとは裏腹に画質や音質・HDMI出力映像の悪さなど、スペックの低さに低評価も目立ちましたが、そもそも42型で税抜き価格3万円を切る商品でしたので、価格相応と言えばそれまでです。
しかしながら、ソニーや東芝といった他者メーカーもスマートテレビに参入しだすようになって以降、ただ安いだけではダメだと考えたのでしょうか4K対応の高画質バージョンも登場しました。
税抜き価格で39,800円を高いと捉えるか安いと捉えるかは消費者の価値観や使用環境によっても異なってはきますが、チューナーレステレビの目的が「NHKの受信料を払わない方法」としての対応策なのだとすれば必要にして十分なクオリティなのではないでしょうか。
ドン・キホーテのチューナーレス・スマートテレビが何となくNHK受信料対策におけるスマートテレビの代名詞みたいになっているような感じもありますが、国内主要家電メーカーの他にも大手電器店オリジナルブランド品や海外格安ブランドまで多種多様な商品のラインナップが存在します。
株式会社立花孝志が販売を行う「NHKをぶっ壊すTV」とは何?
https://t.co/RBl4CGV4tz
NHKと契約しなくて良いテレビを販売!
その名も
NHKをぶっ壊す!テレビ— 立花孝志 元国会議員 チューナレステレビを販売する会社の社長 (@tachibanat) April 13, 2023
政治家女子48党の立花孝志党首が代表を務める株式会社立花孝志でもチューナーレス・スマートテレビ「NHKをぶっ壊すTV」の販売を行なっています。
では、ドン・キホーテのチューナーレス・スマートテレビと何が違うのか?
ほぼ一緒です。
NHKをぶっ壊すTVの方が若干安いのと、ドン・キホーテは50型のラインナップがあるがNHKをぶっ壊すTVは43型の1種類の取扱いである点が異なる程度で、画面の解像度やCPU・メモリなども同じなのでNHKをぶっ壊すTVの方が安く購入できて良いかも知れません。
2023年4月20日に開催された参議院総務委員会において、政治家女子48党の斎藤健一郎代表が参考人として出席したNHK会長以下関係者に対して行なった質問内容の1つに、「チューナーレステレビに変えた場合に受信契約は解約ができるのか?」の議題がありますが、この点に関してはNHKの稲葉会長自身が「受信契約の必要はない」と断言しています。
政治家女子48党の斎藤健一郎代表の質疑は2:33:30頃〜始まりますが一見の価値はあると思います。
結局「イラネッチケー」でNHK受信料の支払いは不要になるの?
結論としましては、イラネッチケーではNHKの受信契約を回避することができません。
イラネッチケーを取り付けたことによって物理的にNHKだけを受信できなくさせたとしても、何か他の外部機器を接続することによってNHKの電波を受信できるようになる可能性があることや、たとえイラネッチケーがテレビ本体の内部に組み込まれたとしたとしても工具を用いて分解すれば内部に取り付けられた部品を取り外すことも不可能ではないと考えるのが、最高裁判所の判断です。
もはや屁理屈のこじ付けに過ぎません。
その考え方に則るのであれば、ドン・キホーテのチューナーレス・スマートテレビやNHKをぶっ壊すTVであっても、制限を解除できる特殊な外部機器を接続してNHKを視聴できるような状態にできなくも無いですし、チューナーを介せば地上波も受信できてしまうかも知れません。
しかしながら、現時点においてはNHK会長の公式見解として「チューナーレステレビは受信契約の必要がない」と国会で明確に示しているのですから暫くの間は「チューナーレステレビ=NHKとの受信契約は不要」と捉えて問題ないと考えられますが、いつその考えが不条理な理屈によって覆されてしまうのか興味があります。
NHKを受信できなくする「イラネッチケー」とは何?【まとめ】
今回は「イラネッチケーとは何?ドンキやNHKをぶっ壊すTVとの違いは?」をテーマに、そもそもイラネッチケーとは何なのか?また、最近話題に挙がることの多いドン・キホーテの「チューナーレス スマートテレビ」や、政治団体NHK党の立花孝志党首が代表を務める株式会社立花孝志が取り扱っている「NHKをぶっ壊すTV」との違い等を検証しました。
- イラネッチケー:受信契約が必要
- ドン・キホーテのチューナーレス・スマートテレビ:受信契約不要
- NHKをぶっ壊すTV:受信契約不要
結論はチューナーレステレビはNHKとの受信契約を結ぶ必要は無いが、チューナー付きテレビにイラネッチケーを取り付けたとしてもNHK受信料を支払わない理由にはなりません。
アイデアとネーミングが素晴らしかったイラネッチケーでしたが、法の壁に阻まれてしまいました。
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