2023年7月22日に開幕を迎えるFIFAサッカー女子ワールドカップ(W杯)の日本での放送が未だ決まっていなようです。
イングランドやスペイン、イタリア、ドイツ、フランス、ドイツ等の欧州の主要サッカー国での放映は、ヨーロッパ34カ国で放送されるものの、日本での放送を行うかどうかについては不透明です。
大会まで後1ヶ月も残されていない状況で、果たして数単位に上る巨額の資金を集められるのかどうかについて大きな不安が残ります。
このままでは日本国内で女子サッカーの試合中継が放送されない可能性も十分にあり得ます。
今回は「女子サッカーは人気ない?なでしこジャパンのW杯中継が未放送?」と題しまして、女子サッカーのワールドカップの国内放送が未だ決定しない理由について検証してみます。
女子サッカーは人気がないの?観客数の平均値から考えてみる
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なでしこジャパンが2011年にワールドカップを制して世間が一時期女子サッカーで湧いた時期がありましたが、その頃の平均観客動員数で約7,000人程度でした。
ワールドカップ前には1,000人超えるか超えないかの観客数だったことからすると、W杯優勝が女子サッカーの関心度を高めたキッカケになったことに違いはないでしょう。
2022年度の全試合平均で約1,400人ですから、ワールドカップの熱はほぼ冷めたと見て良いのではないでしょうか。
分りやすい比較例として、Jリーグ(J1)の浦和レッズの平均観客動員数が約30,000人、J3リーグのギラヴァンツ北九州でおよそ5,000人の平均観客数となっていますので、女子サッカーの観客数がJリーグと比べて少ないことが顕著に分かると思います。
観客数だけが人気度を推し量るバロメーターとは言い切れないでしょうが、重要な収入源である観戦チケット代金の販売枚数は、チームを存続させていく上でも見過ごすことができない大切な項目です。
- J1:16,086人
- J2:6,242人
- J3:2,305人
- WEリーグ:1,401人
ここでは女子サッカーの中でもプロリーグに焦点を当てて「WEリーグ」を挙げましたが、なでしこリーグはアマチュアリーグのトップレベルリーグではあるものの今回はカウントしていません。
一般的には観客数に比例して注目度や関心度が高くなると考えられるので、女子プロサッカーリーグの世間的な認知度はデータ上の数字が一番良く知っているのかも知れません。
プロスポーツとして単純に面白くない?
女子サッカーは「男子サッカーと比べて面白く感じない」との偏った見方をしているからダメだ!とする意見を偶に見かけますが、身体能力や競り合いの強さ、スーパーゴールなど、男子サッカーに比べて見劣りする部分は間違いなくあります。
しかし、身体能力の高さを求めているわけではなく、スーパーゴールを見たいわけでもありません。そのようなプレーはドリブル・パス・シュート等の基本的なプレーの中から登場した一幕であって、およそ試合中の大半は基本的なプレーが占めています。
例えばバレーボールは、男子の強烈なスパイクやジャンプサーブが女子バレーでは見られない迫力があり見所となっていますが、女子バレーは男子に比べてラリーが続いたり力ではなく技で魅せる部分があり、男子バレーでは味わえない醍醐味ともなっています。
卓球にしても水泳にしても体操にしても男子は男子の良さがあり、女子には女子の良さがそれぞれあり、異なる魅力を持っています。
しかし、事サッカーに関しては女子だけの魅力が分かりにくいというか、感じられません。
偏見かも知れませんが、結果的に公式試合の観客動員数に顕著に現れていることからも、多くの一般人が女子サッカーの魅力を理解できていないと考えられます。
サッカースポーツが元々激しい接触プレーを伴う競技スタイルゆえに、そこが魅力の1つでもありますが、本能的に女性に備わる闘争本能は男性のソレよりも低いでしょうから、結果的には激しいプレーには繋がらないのではないでしょうか。
女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)が発足してまだ歴史が浅いので、これからの広報活動やプレーの内容で徐々に存在を知らせて行く以外方法はありません。
引退した澤穂希選手のような華のある選手や、サッカー以外で言えばメジャーリーガーの大谷翔平選手やNBAの八村塁選手のようなスター選手を今後どれだけ生み出せるかにも注目です。
テレビでも女子サッカーの試合中継を見たことがない
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何気なくテレビを見ていても海外サッカーのスーパーゴール集やJリーグのハイライト等はたまに流れてきますが、女子サッカーの試合中継や試合結果の速報を見たことが今までありません。
テレビ朝日の報道ステーションやNHKのニュースウォッチ9のスポーツコーナーでもこれまで女子サッカーの情報を見た記憶がありません。
限られた放送時間枠の中で報道すべき情報を取捨選択していけば、自ずと世間が関心を寄せる話題を報じるのが当然であり、一般的に考えて女子サッカーの試合結果にそこまで関心を寄せる視聴者がいないという事になるのではないでしょうか。
誤解のないように断っておきますと、女子サッカー自体を否定するつもりはサラサラありません。
「人気があるのか?」「プロスポーツとしてどうなのか?」を考えた場合、選手のみんなが頑張っているからとか何だとかの理由は全く関係ありません。
「プロ」として活動している以上は世間の注目を集めてお金に変えなければ、自分たちの食い扶持を稼ぐこともできません。お金を稼げないのであればプロではなく趣味の世界です。世の中の会社組織と何ら変わりありません。
テレビのスポーツコーナーにも採り上げられないのは、世間の需要が無いからです。
男女格差や待遇面の改善など、女子サッカー界にも様々な改革が求められているようですが、「ビジネス」である以上はサッカープレーを通じて利益を出さなければプロとして失格です。
厳しいようですが、プロの世界って極端に言って生きるか死ぬかの世界ですから、ノホホンと構えていると次から次へと参入してくる新たな次世代の選手にドンドン追い越されていきます。
女子サッカーの試合を面白くないと感じる意見
女子サッカーが男子サッカーと比較して迫力に欠ける部分は確かにありますが、何も男女差別をしている訳ではありません。
男子リーグ・女子リーグと明確に区分けがある以上、それぞれの特色や魅力を表現する必要がプロスポーツとして求められますが、女子サッカーにはお金を支払ってでも試合を観覧したいとの感情が湧いてこないのではないでしょうか。
様々な意見はありますが、「プロスポーツ」として存在している以上は、客からお金を支払ってもらわなければ、自分の給料も、リーグ自体の存続も、プロスポーツとしてのカテゴリも、全て消滅してしまいます。
「楽しければ良い」意見の方々は、プロスポーツをどのように捉えているのでしょうか?
「サッカーを武器に仕事をして給料をもらうスポーツ選手」ですから、慈善事業ではありません。
こんなん言ったらあれやけど女子サッカーって面白くない。スピード感なくてもっさりしてるというか、グラウンド狭くするとか工夫しないと競技として魅力でないやろ・・ https://t.co/jnm5MlofxL
— フリードリヒ (@kawaihg) June 1, 2023
はっきり言って女子サッカーは面白くない。男子と比べてパワーやスピードが劣るなら、コートやゴールを適正サイズにすればいいのに。ロングキックを蹴ってキーパーが手が届かずゴールが決まるシーンは興ざめする。
— tekku_00 (@tekku_00) July 8, 2019
女子サッカーのワールドカップが放映されないの、正直女子サッカーって見ても面白くないから。他の団体スポーツの女子競技は男子よりも迫力はないけど違う部分の魅力はあるのに、女子サッカーは単なる男子の劣化版だもん。コート半分にするとか根本的にルール変えた方がいいと思う。
— みりぃ (@galtanpure) February 21, 2023
この方の意見なんてズバリ核心を突いていると思います。
卓球やバレーボール、カーリング、柔道など、様々な競技に女子の部がありますが、どれもが男子と比較した上で女子リーグ特有の魅力や面白さを実感できます。
身体能力の優劣で面白くないと判断しているのではなく、単純に女子サッカーに魅力を感じる部分が見い出せないだけなのかも知れません。
女子サッカーは面白くないっていう人は、多分男子と「比較」してそう言ってるふしがある。
確かにそうかもしれないけれど、特定のスポーツが好きな人ってカテゴリー(性別、年代などの)が違ってもそのスポーツの面白さを味わえると思うのよ。
単なる食わず嫌いじゃない?#女子サッカー— 『蹴球狂い』🐐あきさだとしたか(アッキー)🐐 (@akibonbon_39) July 23, 2020
このような意見も分からなくもありませんが、「プロ」としてソレで良いの?と思ってしまいますし、競技を行う選手自身も「プロ」としてソレで満足なのか?と考えてしまいます。
ラーメン屋さんで例えるなら、新商品の「あんかけカレーラーメン」の販売を開始したが、売れ行きが良くないのでメニューから外したようなモノで、実際に食べて評判が悪かったのか、食べ涙腺に興味すら持ってもらえなかったのか、お客さんの感情は様々ですが、消費者のニーズに合致しなかった為に消えてしまったメニューとなります。
自信作であるとか、食べれば分かる!とか、食わず嫌い!なんて意見はお客さんにはどーでも良い訳で、如何にニーズに対してプッシュし続けていけるかがその道プロとしての存在理由だと思います。
サッカーワールドカップの日本での放送が行われない可能性あり?
サッカーと言えどもプロスポーツである以上は「ビジネス」です。
採算が合わないと判断されればわざわざ巨額の資金を投入してまでワールドカップの放映権を取得しようと考えないでしょう。
放送をする会社も大なり小なり民間企業ですから、費用対効果を求めます。
スポーツを通じた感動はあるでしょうが、お金に換算出来なければ腹の足しにもなりません。
高校野球の代名詞とも言える夏の甲子園は一瞬に全てを注いだ高校球児のプレーが毎年感動を呼びますが、2022年度大会ではおよそ10億円もの売上があり、経費を差し引いても3億円以上の利益をえています。
その発生した利益も高校野球の発展のために使われるので、主催者である朝日新聞社や日本高等学校野球連盟の直接の利益とはならないまでも、宣伝効果としては抜群のコストパフォーマンスです。
ワールドカップを日本国内で放送する権利をだれも欲しがらないのは、コスパが悪いとどこの企業も考えるからに他なりません。
日本国内で何としてでもワールドカップを放送させる必要があるのならば、欧州のように公的なバックアップ体制がないと民間だけでは厳しいかも知れないですね。
もしかするとW杯の放送が行われない可能性すら現実味を帯びだしています。
女子サッカーは人気ない?【まとめ】
今回は「女子サッカーは人気ない?なでしこジャパンのW杯中継が未放送?」をテーマに、女子サッカーのワールドカップの国内放送が未だ決定しない理由について検証してみました。
現時点ではW杯の放送が日本国内で行われないかも知れません。
女子サッカーのファンには残念でしょうが、女子サッカー界を取り巻く状況が未だ発展途上であり、知名度や人気度を高める取り組みをして女子サッカーのカテゴリを確立していかなければこのような問題はいつまでも解決されないでしょう。
純粋にスポーツとしての面白さは高いので如何に観客を呼び込めるかを考えてほしいですね。
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