3月8日に開幕した「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」通称WBC。
最年少三冠王・村上宗隆、二刀流・大谷翔平、令和の怪物・佐々木朗希、おかわりくん・山川穂高など、非常に強力な布陣で構成されている侍ジャパンの野手陣は大会開始以来4連勝と負け無しの快進撃を続けています。
次のイタリア戦でも侍ジャパンの選手たちの活躍がとても楽しみなのです!
ただ・・・メジャーリーガーや外国人選手がガムをクチャクチャ噛んでプレーする姿や唾やタンをペッ!と吐くシーンが映像でたまに流れますが、一体なぜでしょうか?
ペッ!てする行為自体汚くないですか?スライディングした際に他人が吐き捨てた唾やタンがユニフォームに付きそうでいやじゃないですか?プレーよりもそっちが気になって仕方がありません。
今回は、「メジャー選手がガム噛んで唾やタンを吐く理由はなぜ?」について詳しく見ていきましょう!
メジャー選手がガム噛んで唾やタンを吐く理由はなぜ?
歴史的背景や慣習・文化の違い
日本人は古来より「自然万物には神々が宿る」と考えられて崇められてきました。「神様」という存在が要所要所に存在しては神聖なものであると考えられてきました。
宗教観ではなく、日本人として古より伝わる本能に近い遺伝子に刻み込まれた考えなのかも知れません。
新年が明ければ初詣に参り、受験シーズンには合格祈願に参り、安産祈願にお祓いを受け・・・と色々な人生の大きなタイミング毎には必ず神様が日常生活に降りてきます。
大きなタイミングでなくとも、大自然の樹齢数千年もあろうかと思われる大木を目の前にした時、ふと立ち寄った神社で、満天の夜空に流れ星を見た時・・・など、進行する宗教は別として、ふと手を合わせて見たりしたことはありませんか?
野球にしても、幼少の頃より「道具は大事にしなさい」とか「グラウンドに一礼」とか「ボールの手入れ」とか何か心当たりはありませんか?
野球をやらせてもらってるモノに対して敬意を抱いているのです。
野球に限らず、サッカーバスケットボール、柔道、空手、ボクシングなど、ありとあらゆる競技スポーツに共通して競技場は神聖な場所であると教え込まれているハズです。
一方、野球の本場アメリカの野球事情において、野球グラウンドは神聖なものではなく、野球をするための場所に過ぎないと考えられているそうです。
当然グローブはグローブ、ボールはボール、グラウンドについてはただの土にすぎません。
アメリカの野球事情を批判しているのではなく、そもそもの物事への考え方の違いが根底にあるようです。
教育の違い、慣習の違い、伝統・文化の違い、価値観の違い、宗教観の違い、色々な要素が入り混じり、日本人と諸外国人とでは気持ちの面において説明して理解できるような感覚ではない本質で大きく異なっているのです。
野球グラウンドが神聖なものではなくただの土なのだとしたら、極論すれば唾をどこそこに吐き捨てる行為とトイレで用を足す行為とは同じ程度の感覚なのかも知れません。物事の善悪ではなく無意識なのですから。
ダグアウトはメチャクチャ汚い
メジャーリーグのダグアウトが汚いのは、前述した文化等の違いが根底にあるのだとすれば当然の結果だと考えられます。
・ダグアウトは野球選手が一時的に控えているだけの場所
そう考えれば至って合理的な考えの人種なんだろうな・・・と思ってしまいます。
ワタシはワタシ、アナタはアナタ。ワタシは野球をする選手。掃除は清掃業者が行う仕事。
全てのメジャー選手がそうとは限らないでしょうが、日本人の「思いやり」や「お互いさま」の考えは世界には通用しないということなのでしょうか?
だとすればチョット切ないですね。
日本とアメリカの決定的な考え方の違い
アメリカでは日本人の感覚では理解が難しい考え方が存在します。
ダグアウトが汚いのはメジャーリーグの特徴の1つでもありますが、それにもアメリカならではの理由がちゃんと存在しているといいます。決してだらしないからとかではなくアメリカ人の歴史・文化に基づいた考え方の根底がその様になっているそうです。
「これは日本とアメリカの文化の違いでしょう。メジャーリーガーがベンチの床に紙コップやヒマワリの種の殻を捨てるのは、ちゃんとした理由があります。選手がおのおのゴミをゴミ箱に捨てれば、ベンチを清掃する人間の仕事を奪うことになります。日本人の感覚では考えにくいことですが、アメリカではベンチは汚すものという認識があります。決してマナー違反ではないのです」
引用元:J-castニュース
どう転んでも「清掃人さんの仕事を奪うから散らかしてもいい」の考え方には到底行き着かないのですが、そこが歴史・文化・慣習の違いなのかも知れません。
選手や観客は「汚いなー」とは思わないのでしょうか・・・?
メジャー選手が吐いているのは唾やタンではない?
ペッ!と吐き出しているのは噛みタバコだからOKという説
これは歴史的な問題になってくる話なのですが、アメリカの先住民の方々は元来「噛みタバコ」を愛用してきた歴史や文化・慣習があります。
「噛みタバコ」とは、細く裁断したタバコの葉に甘味や香料で風味を添加した嗜好品の一種で、日本では馴染みの薄い嗜好品ではありますが、アメリカ人にとっては遠い昔の植民地時代以前より伝わる大変ポピュラーな品物です。
「噛みタバコ」を口の中で噛み砕いて葉の風味やニコチン成分を感じて楽しむのですが、唾液中に含まれるニコチン含有量が当然多くなってきますので、適宜ペッ!と、口の中に溜まった不要な唾液やタンを体外に排出する必要があります。
口内に溜まった唾液をそのまま飲み込むと急性ニコチン中毒を発症する恐れもあるそうです。
そのため「噛みタバコ」の人気がピークであった19世紀のアメリカでは「スピトゥーン」と呼ばれる痰壺が教会や役場、カフェやはたまた車内に至るまで公私問わずあらゆる場所に設置してあったといいます。
「噛みタバコ」がアメリカの歴史であることは十分理解できましたが、かと言って、ペッ!と吐き出している液体が唾液やタンの類であることには何ら代わりはありません。
メジャー選手が唾やタンを吐かずにいられない理由とは?
1・粘性度の高い唾液で飲み込めない
メジャー選手たちが唾をペッ!と吐き出す理由の1つに「粘性度の高い唾液で飲み込めない」ことが考えられます。
スタジアム大観衆の割れんばかりの大歓声の中、また、相手チームサポーターからのヤジ・ブーイングが飛び交う中でプレーに挑むプロ野球選手たちの精神状態は一般人には計り知れませんが、おそらくは極度の緊張状態に陥っているのではないでしょうか。
メジャーリーガーの1軍選手ともなれば、適度な緊張感を保ちながらリラックスできる独自の精神統一方法もそれぞれお持ちなのでしょうが、日常生活と比較して計り知れないほどのプレッシャーに晒されていることには間違いありません。
我々庶民も仕事で大事なプレゼンを行ったり、会議で司会進行を務めたり、友人の結婚式で司会を任されたり、人前で話す場面が出てきたり・・・と、普段と違う状況に晒された場合、当然ながら緊張しますよね。
人間の身体は神経が緊張状態に陥ると交感神経の働きによりネバネバした唾液が分泌されてきます。
緊張した時に何だか喉が無性に乾いたり、口の中がモタついたりするのもこのせいです。
このネバネバした唾液を「粘液性唾液」と言い、舌下腺と呼ばれる唾液腺から多く分泌されます。緊張したり・イライラしたりすると分泌されやすくなる成分の唾液で、口内を通常よりネバネバした常態にすることで粘膜を保湿し、バイキンなどの外敵の侵入効果を高めたり、粘膜が傷つくのを防ぐ効果があります。
緊張状態の人の身体の中では無意識的にこのような情報伝達が行われていたのです。
一方、均等から解き放たれているような状態においては副交感神経の働きが活発になり、「漿液性唾液」と呼ばれる、サラサラの唾液が耳下腺から分泌されます。
サラサラしているので口の中を洗い流して清潔に保ったり食べ物を飲み込みやすくする役割があります。こちらは外敵侵入に対する防衛措置というよりも人体活動を円滑に進めるための補助機能といった感じでしょうか。
また、唾液がネバネバする原因として発汗による身体の水分量の減少も挙げられます。
発汗によって減少した体内の水分と、緊張によって生じた唾液成分の変化により、飲み込みにくい粘っこい唾になり、結果的に体外へ排出していると考えられます。
2・口の中に入ったチリや埃などの異物を吐き出すため
メジャー選手たちがプレーをするスタジアムでは選手が飛んだり跳ねたり走ったりとする中で埃や小さなゴミが浮遊しやすい状況になっています。
当然口の中にも息と一緒に細かいチリや埃が混入してくることも予想されます。そうして口内に入り込んだ異物が混じった唾液を飲み込むワケにはいかず体外へ排出しているとも考えられます。
3・もう無意識!唾を吐くことが癖になってる
もう、何で唾を吐くのかどうかすら分からないが気付けばペ!ッと唾を吐いているのかも知れません。
何度も何度も唾を吐き続けて癖になってしまっているとも考えらます。
田舎のヤンキー達がやたらと唾をペッペッ!辺り構わず吐きまくる様子を見かけます。もしくはう○こ座り状態で「テローーーォん」と1箇所目掛けて次々に唾を垂らし続ける不気味な光景をアナタは目撃したことはないのですか!
汚いとか何だとか以前に、よだれを一箇所に垂らし続ける行為そのものが単なる暇潰しになっているのです。暇なんです。やることがないんです。
アナタはコンビニ駐車場で大量の煙草の吸殻&ヨダレ祭りの地面と遭遇したことはないのですか!
4・唾を吐く行為がカッコいいと勘違いしてる
メジャーリーガーの選手ともなれば無いと思いますが、唾を吐く行為自体が何だかイキっていてカッコいいと勘違いしているかも知れません。
中学生のヤンキー少年位の時期にありがちな行動なのですが、何故か道端に唾を吐き捨てる行為がやたらとカッコいいと思い込んで、あっち歩けばペッ!、こっち歩けばペッ!・・・と、行く先々でペッペッ!しまくる迷惑なヤツが時折発生します。
普通の人たちがやらないようなことをしている自分に酔っているのが特徴ですね。
どうか子供たちの憧れのメジャー選手に限ってそれだけは無いことを願います。
そもそも試合中に一体なにをクチャクチャ食べてるの?
メジャーリーグ公式風船ガム?「Big League Chew(ビッグ リーグ チュー)」
メジャー選手は「噛みタバコ」を噛むことで唾液の分泌を促して口の中を乾燥から防ぐ目的で試合中も使用していたそうです。
しかし、「噛みタバコ」はニコチンによる人体への悪影響が懸念されるためその代用品として風船ガムが登場しました。
Big League Chew(ビッグ リーグ チュー)はメジャーリーグ公式の風船ガムに採用されているそうです。
メジャー全球団が採用する風船ガム「DOBBLE BUBBLE(ダブル バブル)」
DOBBLE BUBBLE(ダブル バブル)もメジャーリーグの全球団が採用しているメジャー選手の間で非常に人気のある風船ガムのようです。
ダグアウトのベンチに備え付けてある「お菓子BOX」の映像がメジャー中継でも時折流れてきます。
包装紙のカラーリングといい、バケツサイズと言い、どれもがメジャー級です。
メジャーリーガーに人気の風船ガム「Hubba Bubba (ハバ ババ)」
他にもこんなポップな紐状ガムなんかもあり、Hubba Bubba (ハバ ババ)を好んで噛んでいるメジャー選手もいるそうです。
日本ではまず見かけることのない独特の容器とビビッドな色使いがやはり本場アメリカを感じさせてくれます。
メジャーリーガー愛用の風船ガム「Bubble Yum(バブル ヤム)」
Bubble Yum(バブル ヤム)もメジャー選手の間では人気の風船ガムみたいです。
噛み心地やフレーバーも商品によって異なるでしょうからそれぞれ自分の好みの風船ガムを愛用しているのでしょうね。
ロサンゼルス・エンゼルス人気の日本製グミ「ポイフル」
ロサンゼルス・エンゼルスのメジャー選手の中で人気があるのが意外にも日本製のグミらしく、大谷翔平選手がチームメイトから「試合中につまめるお菓子を持ってきて」と言われ、サポート契約を締結している明治の担当者から送ってもらったことがきっかけだそうです。
日本のお菓子はおいしくて有名みたいです。
キャンプ中からクラブハウスやベンチにも置いていますが、みんな食べていますね。ブルペン陣も食べていますし。たぶんポケットに入れたりしていると思います。青のソーダ系とピンクのフルーツ系の2種類があり、ピンクの方が評判が良いですが、どちらも人気ですね。
引用元:スポニチ
元ボストン・レッドソックス田澤純一投手が人気の火付け役「ハイチュウ」
ロサンゼルス・エンゼルスがポイフルならば、ボストン・レッドソックスはハイチュウです。
今でこそ他球団のメジャー選手も愛用する人気チューイングキャンディーですが、元ボストン・レッドソックスに所属していた田澤純一投手がブームの火付け役みたいです。
「メジャーリーグには、ブルペンに入る一番若手の選手が飲み物と軽食を用意するという習慣があるそうで、田澤選手がハイチュウを置いたところ、ほかの選手たちから『毎回置いてほしい』との強い要望が出たのです」
引用元:PRESIDENT
メジャーリーガー愛用のヒマワリの種「デイビッド サンフラワーシード」
メジャーリーグの選手は皆試合中にヒマワリの種を食べています。
これはMLB選手に限らず、米国独立リーグや大学野球においてもヒマワリの種を食べる習慣が浸透しているそうです。
2・噛むことによる唾液の分泌の促進
3・噛むことによるリラックス効果
4・他の選手が食べてるから
5・ただの暇潰し
大谷翔平の愛用「ジャイアント(GIANTAS)の塩漬けひまわりの種」
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手もダグアウトでヒマワリの種を食べています。
ジャイアント(GIANTAS)の塩漬けひまわりの種・塩味(ORIGINAL)が大谷選手の好みの味だそうです。
他にもランチドレッシング味やバーベキュー味などもあるみたいですが、メジャー選手の間ではピクルス味が人気が高いそうで、アメリカでは日本ではあまり流行りそうもないようなフレーバーが却って人気みたいです。
メジャー選手がガム噛んで唾やタンを吐く理由はなぜ?【まとめ】
「メジャー選手がガム噛んで唾やタンを吐く理由はなぜ?」についてお伝えしました。
試合中は緊張状態が続いているため口の中が乾いてしまう為にガムを噛むことで唾液の分泌を促していたそうです。
ガムを噛むこと自体は集中力の向上、リラックス効果等が期待できるためメジャー選手の多くが試合中ガムをクチャクチャ噛んでいますが、噛むのが疲れたときなど、頬と歯茎との間に挟んで一休みしている場面もあります。
頬や鼻の下、下唇あたりがポコっと膨らんでいたらそれは休憩中です。
また、唾やタンを吐く行為については、決定的な理由は分かりません。おそらく噛みタバコ時代の名残と気持ちが高ぶっているために唾液がネバついて飲み込みにくいことが大きな理由になっているのではないかと考えられます。
もしくは、唾を吐く行為自体に対して深い意味もなく何にも考えてもいないとも十分に考えられます。
・交感神経が活発に働き唾液がネバつく
・特に深い意味はない
日本人とアメリカ人とでは根本的に考え方が異なる部分が存在しますので、日本人の一方的な美学を押し付けて物申すのもナンセンスだと思いますが、アメリカ人が辿ってきた歴史や文化が何かしらの影響を及ぼしていることは間違いないでしょう。
大谷翔平選手や佐々木朗希選手のマナーが良いと各国メディアが報道しているように、少なくとも日本人の気質はどこの国でも「気持ちいい」と感じてもらえていることはうれしいですね。
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